サマーストーム

2004年8月7日〜29日 大阪松竹座

舞台レポ

夏の思い出が終わってしまった…サマスト。1時間半という舞台部分はほぼアドリブなしの舞台でリピーターには不評だったかもしれませんが、(すばる担なので気持ちが分からない…)公演も終わったので詳細レポをUPします。
もしや行けなかった方、思い出に浸りたい方にはなかなかいいかもってくらいしつこい詳細内容を書き連ねてるかと思うので時間のある方は是非どうぞ


cast
池田克典 渋谷すばる
森田和也 横山裕
邨野康平 村上信五
小原真澄

錦戸亮

伊藤研二 内博貴
阿部晋 安田章大
大川允人 丸山隆平
若松祐樹

大倉忠義

河合徹 浜中文一・中間淳太・桐山照史(友人役含むCAST日程は別途記載)



古畑○三郎のパクリ的BGMが流れ出すと緞帳の上に薄いスクリーンが下りてくる。その上に「サマーストーム」の文字が映写され、赤い血が滴るような字体の文字が重なり、吹雪?の映像。(雨の演出にしか見えなかったが、その後の話によると雪の夜だったらしいので)

SCEANE1】 
雪の夜、別荘の一室。背後にドアを叩く音が響く中、腹を押さえた和也(横山)が倒れこむ。手にナイフを握りしめたまま床にうずくまり、絶命。

閉じたドアを背に腹を押さえた横山登場。(ただしスクリーン越し)白のパーカーにジーンズの姿で、血まみれのナイフを手にのたうち回る演技はDREAMBOYの使い回し。おーい横山さん、演技の幅狭いよー。うずくまった横山が「これでええんや…」と呟いて暗転。出だしでいきなり殺人現場からとは、音楽だけでなくストーリー展開も古畑調?ここでの観察ポイントは床に膝をついた際に背中から見えるパンツの色。初日からほとんどずっと赤のカルバンクラインで、もしやパンツを替えてない?と疑惑が出るほど。が、28日はゴム部分が黒のグレーパンツに変更、楽日は白地に金の糸でブランドロゴが入ってました。(Dから始まる綴り…DKNY?ドルチェ?)

SCEANE2】
事件後、別荘の広間に集められた面々。和也(横山)の死因はナイフによる腹部の刺し傷だということが判明するが、部屋には鍵がかかっており密室だった。警察は自殺と判定し、その原因は彼がALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病に悩まされていたからだと言う。病気を知らされていなかったメンバーは動揺するが、ドラムの徹(中間・桐山・文一)がバイク事故で脳障害を起こしていたこともあり、バンドは解散。ボーカルの克典(すばる)は単身NYへ渡ることを決意した。

救急車のサイレン音が鳴り響き、スクリーンが上がらないままライトが舞台上5カ所を巡り、すばる・ヒナ・亮・安田・マル・内の6人が照らし出される。すばるはマイカラー赤のシャツを羽織ったジーンズ姿、亮は堅苦しいジャケット着用(学生なのに…)、内は自分の胸囲×1.5倍はありそうなダボダボニット、安田は上がグレーで下がパープルのパンツで、真夏に見るには暑苦しいこと極まりない。そしてヒナ、一人おっさんテイスト満々のテーラードジャケットに、インナーは当然の如くベルトイン!下手すりゃ刑事と同年輩に見えかねん。…衣装さ〜ん!
スクリーンが上がると洋館らしき内装の応接室。部屋の真ん中にテーブルが一台、それを三つのソファが囲んで、舞台右端にもカウチ風のソファが一つ。その後ろにはドアがあり、奥には階段が続く。左手にはカウンターキッチンがあり、正面奥には出口のドアと大きめ窓が二つ。どれもちゃんと使用できるセットで、ハリボテではない!豪華!感動!
その部屋の中に前述の6人と刑事が板付きで登場。あれ、大倉は…?(この場面での出番なし)「では森田さんが発見された時の状況をもう一度お伺いします」と刑事役、ここから話が始まると言っても過言ではないのに、なぜかこの客演の俳優さんがよく台詞を噛む!ジャニタレが噛むのなら致し方ない面もあるが、なんでわざわざ外部の役者さん呼んでるのにこんな噛みまくるんだ!(千秋楽の回まで噛んでました…怒)
横山の死因がナイフの刺し傷による失血死と告げた刑事は、各自のアリバイを聞いてゆく。安田とマルは一緒の部屋で騒いでいて、そこに亮と内の二人も加わったと証言。亮「わいわいがやがや喋ってる間に、いつの間にか寝てしまいました」なーんかこの「わいわいがやがや」がいかにも芝居の台詞!って感じでこっぱずかしい。しかしもちろんそんなもの序の口で、この後も、怒濤のあり得ない台詞の数々が待ってます。
他二人は、部屋で本を読んでいたと言うヒナ、CDを聞いていたと言うすばる。それを受けて「本当です。壁越しにジャズが聞こえてきました」とヒナの言葉に内「克典さんジャズの歌手なんです」それを生業にしとるわけでもない、素人ジャズバンドのボーカルをやってるだけの大学生なんですがね。
誰にも決定的なアリバイがないと刑事に言われ動揺が走る中、さらに「ナイフには阿部さんの指紋が付いていました」青ざめる安田に驚く他面、すばる「晋の指紋だけですか」と確認すると、当時の状況を思い出した安田「それはそうです、な?」マル「そうや、こいつ和也さんの倒れている部屋に入った時…」血まみれのナイフを見た安田がそれを手にとってしまったことを説明。それをすばるが叩き落としたと聞いて顔を上げた刑事に、警察が到着しなうちに現場を触ってはいけないからと説明するすばる「康平にいつも聞かされてましたから」ヒナ「俺ミステリー作家志望なんです、だから」この辺で薄ぼんやりと各自のキャラ設定が出てきた感じ。
さんざんアリバイを聞いておきながら、結局刑事は現場の状況からして自殺に違いないと言い出す。マル「もう〜、僕ら脅かして遊ばんといてくださいよ」刑事「すみません、しかし一つ腑に落ちない点が…」ここで刑事の携帯が鳴り、6人が注目する中電話に出る。「そうか、それが大きな原因やったんか…」と、わざとら…もとい、意味深な言葉をもらして電話を切った刑事に内が「原因てなんですか」と尋ねると、そこで初めて和也がALS(筋萎縮性側索硬化症)だったと判明。マル「なんなんですか、その筋萎縮性なんちゃらって」この台詞を噛んだ時があって、言えないならそのまま誤魔化せそうな流れなのに、もう一度言い直す機転の利かない男、丸山…。手足が痺れ、やがてそれが全身に回りいずれは死に至る難病だとの説明に、愕然と衝撃を受ける面々。ヒナ「そんな病に冒されてたなんて…(タメ)…俺、知らんかったぞ!」さすが大げさ演技には定評のあるヒナちゃん、言い回しがくどい。そういえばシャツのボタンを外してたとか、ウッドベースの練習を避けていたなど次々と思い当たるふしが出てくる中、「それで…あんなことを…」と呟くすばるの声を「あんなこと?」と刑事が聞きとがめる。すばる「いや、自殺のことです」あ、もうこの辺から怪しい…。(二時間ドラマのキャストが出そろった時点で役者ランクで犯人がわかる状態)
遺体は遠縁の親戚が引き取ってくれることになったと報告する刑事の「渋々ですがね。森田さんはあまりご家族に恵まれてなかったようですな」という言葉を受け、両親を交通事故で亡くし親戚を転々としていたことをすばるが説明。「いろいろありがとうございました」と送り出した刑事が舞台奥の玄関と思われるドアを開けると…その先にはちゃんと空間が!そして帰りの支度をしようとヒナが言い出し、後輩の安マル亮内が二階へ上がってゆくと…階段がちゃんと上がれる!(驚きすぎ)
すばるとヒナの二人が部屋に残り、窓辺に座ったヒナ「なんでこんなことになってしもたんやろな…和也の歯車は止まってしまった。それを止めたのは病気のせいやない気もするけどな」すばる「俺の歯車も狂いはじめた」基本すばるの役、克典は人の話は放っておいて我がの話に持っていく人のようです
スウィングウエスト(すばる達のバンド名)はどうするかと尋ねたヒナに、すばる「解散や。研二のピアノだけ残っててもしゃあないやろ」ヒナ「せめて徹がおったらなぁ」すばる「海にバイクごと落ちて脳機能障害、ホンマにアホなヤツや」ヒナ「そんなこと言うたるなや、俺は好きやったで。徹のドラム」と、一連の台詞で、どうやらボーカルすばる・ウッドベース横山・ピアノ内+ドラムの徹(トリプルキャストなのでこの役は役名で表記)というメンバー構成だった様子。
そしてすばる「昨夜な…研二が音楽から足を洗う言うてきたわ」え、たった今研二のピアノだけ残ってもしょうがないって言ってたのに?とそろそろ台詞の矛盾点が出始め、これでこそジャニ舞台…と思った矢先、ヒナ「お前は歌やめへんやろ?」すばる「当たり前や。ジャズの方が俺を放してくれへんわ」で、出た〜!(赤面)これが日常会話?この人らなんやねん!?ヒナも平然と「お前の渋い歌声は俺らの夢やからな!」とソファに座るすばるの後ろから肩に手を置いて笑顔。そうそう、この身内褒めまくりのカユさがジャニ舞台の醍醐味…。
そこへ自分たちの荷物を持った亮内が下りてくると、内「早く出ないと車、渋滞に巻き込まれますよ」と、完全標準語イントネーション。亮が車を回してくると言うと、内「じゃあ俺、キッチン点検してくる」この台詞が聞き取れなくてね〜。後半だんだんマシになってきましたが、基本内はまだ関8の中では滑舌がいい方なのに(ワースト1・2は横山と亮)、早口で言うせいかさっぱり。5回目くらいまで「キッチン行って来る」だと思ってました。
内が舞台左袖へ、亮が玄関のドアから出ていって、また舞台にはすばるとヒナの二人きり。そこでポツリとすばる「…俺、NY行くわ」このアメリカ、それもNYへの根拠のない憧憬、やっぱり社長!原案者付きの舞台でもしっかりジャニ臭取り入れております。一人でジャズの本場に乗り込むと言うすばるの無茶な決意に、ヒナは「やっと決心したんか!」と、諸手をあげて賛成。一人で乗り込むって…留学とかではなく、いきなり行って歌の仕事を手に入れるつもりですか?そんなん、東京進出さえうまくいかなかったアナタにできるはずないじゃないですか!(いかん、現実と混同してきた)
すばるも荷物を取りに行こうと階段へ向かうと、そこにちょうど下りてきた安田と、大量の荷物(ある意味仕込み)を背負ったマル。それを見てどっと笑う客席、ホンマにおもしろいかどうかより今回のシリアス?芝居で唯一と言っていい笑いどころだからとりあえず笑っとかなもったいないという気持ちがかなりの割合で混じっているはず。でなければあの丸山が初日から滑り知らずのはずがない!マルもここしかないと思ってか、毎回アドリブのセリフや違う持ち方を準備する努力っぷり。ヒナに大荷物をつっこまれ、最初は「康平さんの荷物もあるんですよ〜」と言ってたのが、「康平さんの荷物ばっかりですよ!」と言い返すようになり、ヒナ「俺の荷物そんな多ないわ」マル「自分で思ってるより意外と多いんですよ〜」と笑顔で切り返し。マルが背中に引きずるように荷物を背負ってきた時には、ヒナ「かたつむりか」のツッコミに、「かたつむりって言葉、久しぶりに聞きましたわ」と思わず参加する安田も微笑ましい。楽前くらいの時には鞄の紐を引っ張って「ひひーん」と馬乗りプレイも披露するマル。おつとめ毎日ご苦労さん。

安マルが捌けた後、一人になったヒナは急にシリアスモード「…和也、お前も行きたかったやろ。NY」このイントネーションが、ニュウ!ヨーク!って感じで密かに私の笑いのツボを刺激してくれました。ヒナ「だだっ広い部屋に一人、声をかければそこに誰がいるのに…」その呟きに、「それが孤独ってもんや」壁にかけた絵の向こうになんと横山が映って話しかけてきた!さすが社長、本格ミステリー(笑)でも幽霊亡霊の類は欠かさない!ヒナ「お前が急におらんようになるからや」横山「恋人みたいなこと言うなや、おかしいぞ」いや、もっとおかしいことがあるでしょう!
ここで延々と真実よりも歪められた事実の方が誰かを救うだの、グダグダしたセリフの応酬が行われ、横山の姿が消えた後はヒナの一人芝居。カウンターに置いてあったバーボンをグラスに注いで煽ると、「お前はそうやって俺に謎ばかり残す!」ともう姿の見えない横山に向かって絶叫。そんな叫ばなくてもアナタの声マイクなしでも松竹三階最後列にまで届くのに…。
そして血塗られた果物ナイフや閉ざされた密室に、ヒナ「これが小説だったらまるで殺人事件…殺人?」さあここでピンスポ!花道上で「まさか、まさかな…」と呟きつつ、そのまま走って捌けてゆくヒナ。
別荘のセットが下がり、代わりに後ろから上がってきたセリの上には車椅子の徹と彼を囲む友人達。今回の舞台は関8以外はトリプル及びダブルキャストとなり、徹役は前述の通り中間・桐山・文一の三人。梅駒から使い回しと噂される車椅子に乗っている姿は、足が長すぎて気の毒なくらい折り曲げてる中間、重量制限確実にオーバーの桐山、比較的サイズ的には問題はないものの前楽では俯いた拍子に椅子から転げ落ちそうになった文一と、それぞれ個性あり。
徹の膝に手を乗せ「俺や、健太や」と語りかける友人代表健太役は室兄と菊岡のWキャスト。明らかに他面より頭一つ飛び出した室兄はわりとハキハキした喋り方。一方菊岡は風邪気味で鼻声になっていても一部の客以外には気づいてもらえないくらいの発声。(前楽の辺では完全に鼻声だった)友人グループはチーム室兄が、長谷川・青木・浅田・濱田・安達の計6人で、初楽共にこのラインナップ。比べるとチーム菊岡は全体的に地味かな?伊藤・室弟・薫太・大智で計5人となります。安達のWキャストはいないようで、だからといって両方のパターンに出られるわけでもないらしい。(難しい…)
室兄or菊岡の行動をきっかけに「俺は?」「俺は?」と詰め寄る6人、あるいは5人の勢いに、頭を抱えて俯く徹。「俺の…夢は…兄さんの夢…」としか言わない徹に、「徹に兄さんなんておらへんのに」「兄さんて誰のことなんやろ?」と疑問に思う友人達。そこへ徹の母親がやってきて「皆の顔もわからない徹なのに、ホントによくしてくれて…」と感謝の意を述べると、わりと遊びやアドリブが多いチーム室の青木が「オフコース!」と親指を立ててみせるのがカワイイ。中盤からは長谷川も一緒になってダブルで「オフコース!」と指立てたり、楽では6人揃って「も〜ママさんたら〜」とオカマっぽい?仕草でナイス仕込み!青木は他にドラムを叩く真似ではしゃいで長谷川に止められる場面もあり。これは台本通りらしく、チーム菊岡だと室弟と伊藤がその役割。
「徹の言う兄さんて誰のことですか?」と尋ねる友人達に、徹の母親は「憧れのヒーローなんやろねぇ」と答える。「なんや、やっぱり脳機能障害の妄想なんや」と結構酷いことを言いながら納得する薫太が印象的。(チーム室だと浅田のセリフ?)ちなみに文一の台詞回しが明らかにおかしく、「お、れの、ゆめはに、いさんの、ゆめ」って、どこの文節で切ってねん!(笑)さすがに注意を受けたのか、後半は直ってました。

SCEANE3】
2年半後の夏、和也(横山)は自殺ではなく殺人だったのではと疑う康平(村上)は、NYで挫折し帰ってきた克典も含めた当時のメンバーを集め、新人の祐樹(大倉)を加えた7人が同じ別荘に泊まることになった。折しも嵐に見舞われた夜、事件の夜別荘にいた6人へ和也からと名乗るメールが入る。「俺は殺された」と告げるメールと共に部屋の電灯が爆発し、7人は恐慌状態となる。

花道からすばるが「サマータイム」を歌いながら登場。衣装はチェックのシャツにジーンズ…って、真冬の時と服装変わってないんですが。唯一ジャズ歌手らしいところを披露する場面だけに、俺を見ろ!とばかりに目力使いまくりのすばる。つーか内のピアノや横山のウッドベースなんて実現不可能な設定ばかり作るもんだから、全然ジャズバンドらしい感じがないんだよなー。
すばるが歌ってる間、舞台上にはスクリーンが下りていて、その向こうではヒナ「あれから2年半、俺たちはまたここに集まった。歪められた真実を知るために」横山「康平、それは意味のないことや」語り部的ヒナとまた出たか幽霊横山の会話。ん?横山の幽霊はヒナにしか見えないのか?NY進出を見事失敗して帰ってきた様子のすばるを見ながら、横山「今の克典は傷ついた小犬や。お前らが力になって励ましてやらんと」き、傷ついた小犬―っ!そんな横山の羞恥セリフにも少しも動じず、ソファの上に掛かった布を外すヒナ「わかってる。でも、もう一人の友人が死んでも死にきれへんのとちゃうかな思て」横山「俺はただ人より短い寿命を神様から授かった運の悪い男や」確かに死にきれてないようですな。
横ヒナの会話が落ち着くと続きを歌い出したすばる(その間花道で蹲ったまま)、スクリーンの向こうではヒナから布を手渡された大倉、曲に合わせて体を揺らすマルなどの姿がうかがえます。舞台の奥ではクーラーボックスと自分の鞄を並べてごそごそしてるヒナ。後の種明かしでわかりますが、こういった細かい動きには気が付くのは二回目以降からですね。
歌い終わってスクリーンが上がると、メンバーから拍手。内「伸びのある高音、変わってなくて嬉しいですよ」は、やっぱり標準語イントネーション。それに対してすばる「変わったよ。これが挫折を味わった歌声や」いや、2年半たっても全然変わってないやろ、そのナル丸出しのセリフ…。ヒナ「そんな自分を苛めるなや」と缶コーヒー(たぶんボスのキャップ付きアルミ缶)で乾杯。すばるは青い缶、亮が白い缶なのは確認できたけど他のメンバーはどれが誰のやら。前述のすばる以外の衣装は、安田とマルがノースリ、大倉も半袖で夏らしげ。しかし内は白地に細いストライプの入った長袖プルトップシャツ(冬服の百倍イイ!)で亮ヒナはジャケット着用。室内温度の設定が読めません。
2年半ぶりに訪れた別荘をずいぶん寂れたと評する亮に、マル「でもオーナーの差し入れは変わってへん」とテーブルの上の果物(作り物)とナイフを手に取ると、立ち上がった安田「それ(ナイフ)見ると思い出すな」内「血まみれのナイフか」慌ててナイフを放り出すマル。安田「なんでこの場所にしたんですか」と詰め寄ると、ヒナ「お前らももうすぐ卒業やんか、和也も祝いたいんちゃうかな思て」
あの時となにもかもが一緒だと言うメンバーに、「違うよ。新人の祐樹もおるし」と言い残して二階へ荷物を置きに行くヒナ。そこでようやく大倉「和也さんのことは散々聞かされてますし、新人ちゃいますよ」と、おそらくこれが今回の舞台で初めてのマトモなセリフ!確かに後から加わったとは言え、亮と安田の同期だし新人ではないな。(すぐに現実と混同)
まだ薄気味の悪さが隠せないメンバーに、いきなり「この辺りよく霊が出るそうですよ」と話を切り出す大倉。別荘の近くに三段壁という自殺の名所があるからだの説明に、亮「わかったわ、康平さんがここに拘る理由」いかにもミステリー作家の興味をそそるシチュエーションだと笑い飛ばす。…が、ここが錦戸さん最大の山場、ほぼ毎回と言ってもいいくらいの確率で噛む!最後の週末の時くらいはマシになってましたが、それまで私の入った公演では打率約9割。おかげで特に流してもいいような場面なのに、思わずこっちも手に汗握る羽目に。こうなると周りの連中(と言うか山田)も心得たもので、亮が噛めば即座に安田が次のセリフを被せ、そのままマルが話を続けて何事もなかったかのように進めるチームワーク。(単に甘やかしと言う気が…)
そして続くマルのセリフが、出だしの鞄持ち以外のアドリブコーナー。初日から数日は台本通りに「せっかく俺たち4人揃って卒業も決まってんからぱーっと派手にやろう」と皆を元気づけるセリフを大人しくやっていたのを、中盤辺りから「俺たち」の部分で亮・内・安田の肩を叩いて回ったり、最後らへんではフラメンコの振り(オ・レ!にかけて)をしてみたりとどんどんアドリブを入れて、これぞ丸山の真骨頂!セリフ覚えは遅いがアドリブへの情熱は誰にも負けないその姿勢に感動。オ・レ!の時にロッキングチェアに座る内の前まで行って笑かすもんだから、ゲラの末っ子は芝居中なのに大口開けて笑っておりました。…かわいい…。そのテンション上がったセリフの後に雷が鳴り、マル「…雷だけは派手やけど」と舞台右端のソファで身を縮ませ、逆サイドのソファに座った大倉がクッションで口元を隠して乙女笑い。あぁ、ほっこり…。ANOTHERのハリオスに続きキャラ的にアドリブに乗っかったり笑ったり出来ないすばるが気の毒になる空間。
そこへ二階から戻ってきたヒナが「NYの話聞かせてくれよ」と声をかけると、すばる「NYなぁ…。なにもかもが俺の想像を遙かに超えてたわ。街も、空も、人も」なんじゃ、その説明。お得意の自分語りが始まる予感。すばる「俺の歌に耳を傾けてくれる人なんてNYにはただの一人もおらんかった」亮「本場は甘くなかった…ってことですね」隣のソファですばるをガン見で応える亮の姿勢はともかく、すばるさんアナタNYで何してたんですか?ストリートミュージシャン?ジャズで?そんな素朴な疑問を投げかける者は誰もこの場にはおらず、皆黙ってすばるの話に耳を傾ける奇妙な光景。すばる「なにもかもが嫌になって路地裏を歩いてる時、せつない歌声が耳に入ってきた」どうしてそんな物語口調…。汚れたホームレスの歌声に感動したというすばるが、彼には自分にないものがあったと語ると、やはりそこでも相づちを打つように尋ねたのは亮「それは…なんですか?」すばる「偽りのない心や」…なんて言うか、もう…勝手にやってくれ。
NYの土産話を聞くつもりがとんだ自己満トークを聞かされる羽目になった面々の内心を慮るように、「あれから2年半か…」と会話をうち切って遠くを見つめたヒナ。窓の外では雷の音が響き、タイトル通りに夏の嵐。そこへ「You gat mail♪」と新着メールの知らせが入り、なぜか全員同じ着信音のメンバー(大倉除く)が立ち上がる。口々に「あれ、自分も?」と言い合いながら(この場合の「自分」=相手のこと。関西弁では一人称二人称共に「自分」を使います)メールを見ると、そこには。「なんやこれ、」と騒ぎ始めると同時に、カウチ後ろのTVには「久しぶりだな KAZUYA」とメール画面と同じ和也からのメッセージが。
ネタバレですが、ここでDVDを操作していたと言う設定の大倉、なぜかTVから離れたキッチンのカウンターの上に置いてある機械(たぶんDVDプレーヤーかレコーダーのつもり…でもどう見てもVHS)を触ったり、片手にリモコンを持っていたりと細かい芸。
「タチの悪いいたずらや」「だけど俺たち全員のメールアドレスを知ってる」と混乱する一同、NYから帰ってきたばかりのすばるは早くも携帯を購入していたのか…?と心に浮かんだそんな小さな疑問は抹消。
と、そこでキッチンで爆発が起こり、松竹でまさかの演出に客席も騒然。しかしその直後にはプラスチックのタッパーと一緒に転がる大倉に失笑。「俺は殺された…これが真実」「全て話してやるよ、あの日の真実を」などと、正確な文面は覚えてませんが(15回も見たくせに)、おおよそこんな内容のメールが届くたびに遠慮なく爆発。これが海老蔵襲名披露を行った劇場か?天井の爆発なんかは後半リピーター客があまり驚かなくなったことを考慮してか、勢い1.5倍増しに。心臓に悪い…。
和也が殺されたと言うメッセージにマル「嘘や!」内「俺は殺してないよ」亮「お前ちゃうんか(と安田を指差す)」と口々に騒ぐのを、すばる「もう止めろやー!」と一喝。ここでピタっと言い合いが止まるのですが、初日はまだ息が合わず静まりきらなかったのが、途中からどんどん息が合ってきたのが小気味良い。
「俺の話を…聞いてくれるか」と言い出したすばるに、「どうした!?」と階段のところから身を乗り出すヒナ。これもネタバレですが、さっきからずっと舞台端で後ろを向いてはジャケットのポケットに手を突っ込んでごそごそやってる姿が微笑ましい。が、そこでまた爆発が起こって、話も何もあったもんじゃありません。
最後はヒナ「全て話してみせろよ、和也―っ!」と叫んで暗転。


SCEANE4】
回想シーン。和也(横山)たちの卒業前のライブに向け、チケ捌きで揉める部室。康平(ヒナ)が残りチケットを引き受け収まるが、すでに和也の病状はチケットの手渡しやウッドベースの持ち運びにも支障を来すほど進んでいた。もちろんそんなこととは知らない克典(すばる)は、彼の不自然な行動にきつい言葉を投げかける。

花道から室or菊岡達を引き連れた横山登場。徹の友達である彼らはジャズ研メンバーではなさそうだが、ちゃんと横山には先輩に対する態度。自分たちのライブのチケットを売るのに協力を仰ぐ横山に、「はい、わかりました。でも売れなかったからって怒らないでくださいね」と相手の性格をよく知った発言は、チーム菊岡では室弟だったので、チーム室では青木?徹以外の中堅達はWキャストでも衣装は別々。そりゃ室兄(推定180cm越え)と菊岡(公称167cm)が同じ衣装じゃ、丈とか丈とか丈とかいろいろ不都合もあるでしょう。ちなみに徹役の衣装着回しにおいては、文一と中間はともかく、桐山が同じサイズを着れたのかちょっと怪しい。衣装談義ついでに言うと、この場面での横山の衣装のGジャンが内の私服かと思うほどダサイ。
後輩達にチケットを渡そうとして、手が痺れて取り落とす横山。「なんでもない」とごまかして、右手首を押さえるんですが、彼の手は白くて指が長くてとても美しいので、その手に焦点が当たる展開には非常に満足しております。(設定的にかなりの無理はあっても)
室or菊岡達が花道から捌けていくと、残された横山は部室セットの用意された舞台上へ。
そしてマルと亮がピアノの前で音を鳴らしているところに割ってはいるなり、横山「もう一回言うてみぃ!」と怒鳴り声。俯いた安田「なにも僕らは簡単にチケットが売れないって言ってる訳じゃないんですよ」との反論に、横山「このライブには克典のメジャーデビューがかかってるんや」うわー、生々しい…。(だから現実と以下略)
愛好者の限られたジャズで、素人の演奏にお金を払って見に来てくれる人は少ないという意見に、横山「そこをなんとかせぇ!男やったら根性みせろや!」とヤクザかチンピラのようなことを言い出す。Gジャンをはだけるほど興奮して叫ぶ横山に、マル「出た出た、止めてくれません?その古くさい根性論」お前いつからそんな口を利けるように?そんな下僕の反乱に合いつつも、ここでも横山「悔しいけどな、俺らは克典と言う才能溢れる小さな花についていくしかないんや」と言う名台詞を披露。
そこへ入ってきたのは内、そして「兄さんの夢は…」以外で初めてまともに喋る徹。赤い半袖ラガーシャツに白の長袖Tシャツを重ね着した徹の、内の後ろをちょこちょこ付いてくる姿がとても後輩らしい…と言いたいところですが、中間は内とあんまり身長変わらないし、桐山は縦にも横にもデカイので、外見は文一のみOK。(あくまで外見のみ)
新たなカモを睨み付けた横山「お前らの分は売れたんか」内「はい、」と元気良く答えて(カワイイ…)後ろの徹を振り向いてにっこり。お前、さてはこの顔でチケット捌きやがったな!そりゃ安田やマルは売れ残るわ。愛想無しの錦戸さんも。徹は室or菊岡を中心とした友人という名の取り巻きに捌かせたに違いない。恐ろしき年下コンビ…。
が、横山の腹の虫は収まってないようで、「ノルマ分だけやなくてもっと売ってこい!」もう上納金の割増を請求するヤクザにしか見えませんわ。怒られた途端シュンと項垂れる徹がツボ!(ただし文一限定)更に徹を責め立てる横山に、「もう止めて下さい!」と両手を広げて庇う内。やはり目に入れても痛くない内には芝居中でも弱いのか、それ以上何も言わずに横山は部室を出ていく。
ドアが閉まると一気に虐げられた下っ端の怒りが噴き出し、安田「なんやねんアイツ、ぶっ殺したる!」と椅子を蹴ると、亮「今のあの人には何を言っても無駄やって」おおお、安田がキレて亮が慰める!現実世界と全く逆の展開になんだか観客も落ち着かない。徹「あの人寂しいから、だからなにかに夢中になったらそればっかりで…」と、意味不明のフォローに走るも、説得力などあるはずもなく。
そこへヒナ登場、重苦しい空気をいち早く察して「どうせまた和也にチケットのことでやいやい言われたんやろ」と言うと、徹「さすが康平さん、いい勘してますね」と寄ってくるのが懐いてるっぽくてかわいい。するとヒナ「チケットのことは俺に任しとき、当てがあるねん」と皆が余らせたチケットを集める。さすが関8営業部長!頼りになる〜。
とりあえずチケットの件が片づいたということで、亮安マルの三人は退室。去り際に「お前らの演奏楽しみにしてるで」と声をかけてゆくマルに対し、出口のところで「康平さん、すみませんでした」とヒナに向かって深々と頭を下げる安田。このへんは各自のキャラのイメージ通り。
彼らが出ていった後、内「じゃあ僕らも練習時間までちょっと出てきます」と徹の肩をポンと叩いて出ていこうとすると、ヒナ「おい、研二!徹!」と呼び止め振り返ったところへ、「ライブがんばれよ」と一言。励ますつもりなんでしょうが、ヒナちゃんやたら声がデカイのでかなりびびります。
内たちが出ていった後、一人になったヒナはおもむろに携帯を取り出すと「もしもし、先輩ですか?」と営業トーク。「以前お話していたチケットの件ですけど。50枚ほどです」電話一本で50枚のチケットを捌く男!やはり内などはまだまだ修行が足りん!電話を切った後ピアノに向かうと、「50枚か…結構残ってんなぁ」と呟くヒナの口調がなぜか好きでした。
丁度その時部室のドアが開いて、横山が戻ってくる。ヒナ「なんや謝りにきたんか?皆出ていってしもたで」この辺のヒナの語りかけ口調は全部まとめて好きー。振り返らずにチケットを数えてるのが金勘定してるみたいでまたリアル(笑)。ドカッと椅子に座り込んで「ああああ〜!」と叫ぶ横山に、「そんなイライラすんなや」と至極落ち着いた対応のヒナ…本当に夫婦善哉な二人。どうでもいいんですが、この横山の座るパイプ椅子(さっき安田が蹴飛ばしたやつ)がやけに傾いてるのがA型的に非常に気になる。「あいつらもスウィングウエストのために一生懸命やってくれてんねんで」と宥めるヒナに、「わかってる、わかってるねん!でもなんかが足りへんねん!」と机を叩く横山。こんな悩み去年のDOUTONBOYSでも聞いた記憶が…。
ピアノの前の椅子に座ったヒナは横山の方を向いては唐突に、「野良猫、元気やったか」ま、まさかこの展開…。訝しげに顔を上げた横山にヒナ「野良猫にエサやりにいっとったんやろ」横山「…さすが、ミステリー作家やな」プーッ!今時隠された優しさを表すのに野良猫をかわいがるエピソードって!しかしなぜか「一番ちっこいやつ怪我してたやろ。もう治ったんか?」と両手で小猫を表現するヒナがツボだったので、許す。横山「治ったんちゃうか。元気に走り回ってたで」と答えると、おもむろに立ち上がったヒナ「野良猫の寂しさ、俺に似てる」あぁ…やっぱりアンタもまともじゃなかったのか…。当然「なんやそれ」と呆れた横山に、「お前の気持ちや」と断言するヒナ。「アホか、お前に俺の気持ちがわかってたまるか」と横山が毒づくと、「お前はそうやって壁を作る。誰かに心を開いた時、それを失うのが怖いからや」と語り出すヒナ、もう誰も彼を止められない。
横山「お前、なに言うてるかわからんぞ」と言い捨てても、ヒナ「そうやって一人で暗闇に入っていくなよ」と呼びかけてくる始末。(末期症状)「入ったわけちゃう…もう闇しか見えへんねや」と呟いた横山に、青白いライトが当たって浮かび上がる演出。
そんな濃厚空間の扉を開いて入ってきたのは険しい顔したすばる、この時の衣装が今回一番好き。白のVネックニット(松岡@TOKIOの私服か櫻井@嵐のソロ衣装っぽい)で、袖が長めで手の甲にかかる感じ。舞台写真でこの衣装のが発売された時には写りは微妙でも飛びつきましたわ。
すばる「皆は?」と尋ねると、ヒナ「研二と徹は練習時間までちょっと出てくるって」すばる「あいつらそんな暇あるんか!」といきなり切れるカルシウム欠乏気味。横山と二人キレキャラ被って、こんな先輩ばかりのサークル嫌だ。ヒナに「そんなひどいこと言うなや」と宥められて納得するどころか、「ええか、才能のないヤツは必死で努力してついていくしかないんや!」と噛みついてくるあたりすばるの方がさらにタチが悪い。
さすがに見かねたのか、人の振り見て我が振り直せと思ったのか、横山「時間もったいないからさっさと練習始めようぜ」と言い出すとすばるも頷く。そんな二人の様子にヒナが「なにそんな焦ってんねん」と口を挟むと、横山「今の俺には一分一秒が惜しい!」と激しい反応を見せた後、ごまかすように「いや、もうライブまで時間ないやん?」と口調を抑える。白々しい空気の中、「いくら練習しても才能には限界ってもんがあるんや!」と怒鳴りながらドラムの椅子に座り込むすばる。アンタさっき才能のないヤツは努力するしかないって言ってたくせに…。思春期の息子を扱うようにヒナ「お前、毒吐きすぎやぞ」と一応すばるに注意の言葉を投げかけながら、「じゃあ俺ちょっと出てくるわ」と先輩にチケットを押しつけるために出かける。
二人きりになったすばると横山の間には気まずい空気が流れるも、黙って立ち上がったすばるは机に向かう。練習すると言ってしまった以上、その後ろに寝かせてあるウッドベースを持ち上げようとする横山、しかし手が痺れて取り落としてしまう。すばるに「楽器は俺らの命やろ!」と怒鳴りつけられ、横山「命落としちゃった…」と自嘲気味に呟く…。
この辺は見てる方もそこはかとなく悲しい気持ちになるのですが、つい目線が横山の後ろの壁に張ってある紙を追ってしまうのは身に付いたあら探し体質の成せる技。(嫌な客…)10月19日のライブのチラシの横に、なぜか8月の練習予定表が張っており(確かライブまで後10日もないとか言ってたのでこの時点で少なくとも10月頭)、しかも日程の下に書き添えられた一文「練習を休む人は必ず練絡してください」…こ、これは横山の自筆?ヨ・T伝説再び?
CDをかけ楽譜をめくるすばるを横目に冷蔵庫の前に座った横山は、中からペットボトルを取り出すと一本を口にくわえ(左手が利かないから)、もう一本をすばるに投げて寄こす。(ダイエットペプシ?)受け取ったすばるがそれを無言で机の上に置くのを見て、横山「こういう時はありがとうくらい言うもんやろ」しかし変わらずすばるは無視。…という流れの場面で、11日公演では横山がペットボトルを投げ損ね、すばるが手を伸ばすも届かず床に落としてしまうハプニング。中身は空のボトルは軽い音を立てて転がるも、平然とそれを拾うすばる。「ありがとう」どころじゃない。
自分の分のペットボトルを口にくわえたまま立ち上がった横山は、楽譜に視線を落としたままのすばるを背後からじっと見つめては、満足そうに笑う。(怖っ)そして再びウッドベースを抱き起こすと、左手を使わずに移動させようとして、床に打ち付けてしまうことに。「静かにせぇや!」と切れて立ち上がったすばるは、「お前おかしいぞ!」と言い捨てるとCDを止めて部屋を出ていってしまう。つーか、このシーンほとんどずっと怒りっぱなしのすばる。克典ってどんなキャラやねん。
残された横山はウッドベースを抱えたまま泣き笑い、自分の手を見つめながら「俺は微笑む運命が欲しい」と呟くのですが、このセリフを私が初めて聞き取れたのは観劇7回目に当たる20日の公演。私の耳が悪いのか横山の滑舌が悪いのか、はたまた意味の通らん脚本が悪いのか。
横山「もう涙が止まらへんねや…」と俯いたまま舞台が回転し、回想シーン終了。

SCEANE5】
場面は再び別荘に戻る。灯りを取り戻した室内には先程の気まずい空気が残り、互いを犯人かと疑い合う。そこで真澄(亮)と研二(内)が爆発とメールが康平(ヒナ)の仕業だと見破り、どうしてこんなことを仕組んだのか詰問する。和也(横山)はこの中の誰かに殺されたのだと言い張る康平を前に、怒った一同が帰ろうとした時、立ち上がった克典(すばる)が犯人は自分だったと自白する。

窓の外では雷が鳴り響く中、マルの支える脚立に乗った大倉が電球を直す。(正しい人材活用)電灯の上を触りながら「なんやこれ」と大倉が払いのけたビニール袋に錦戸さんご注目。顔を見合わせた亮内は二階へと上がってゆく。
灯りが戻るとさっきの爆発はなんだったのかと言う話になり、大倉「まさか本当に幽霊が…」安田「アホか、そんなわけないやろ」即座に否定され、所詮一番下っ端、発言権もない大倉。そこで安田の顔を見たマル「…お前、和也さんのことぶっ殺したいって言ってたな」安田「なんや?俺がやったとでも言いたいんか」マル「そうや、指紋のことにしてもわざとカモフラージュして」柄にもない推理を展開し始めたマルに切れた安田が掴みかかり、そこへ二階から下りてきた亮「止めて下さい!」と一喝。(モノホン893風)
「二階の爆発は物置やった。床の上にこれが落ちてましたよ」と説明しながら両手に持ったビニール袋をヒナに向かって付きだした亮「ミステリー作家にしてはお粗末じゃないですか」ヒナ「どういう意味や?俺とそのビニール袋の関係は?」亮「爆発の犯人と、その証拠ですよ」火サスで言うなら開始一時間後くらい?一回目の謎解きの開始!金田一少年もとい893の事件簿!
亮「ドライアイスは気体になった時750倍の容量になる。ビニール袋に入れて口を閉じれば時間が経てば爆発する」と解析。二階の物置と一階の電灯の上にこのビニール袋が落ちていたことを告げ、亮「考えましたね、後で見ればこんなビニール袋ただのゴミや」もちろん大人しく罪を認めるわけもないヒナ「爆発は三回、ビニール袋は二つや」亮「キッチンにはプラスチック製のタッパーがありました。それで代用できる」ドライアイスの運搬には特別な装備が必要だと言った亮に、思い当たった安マルは部屋の隅に置かれたクーラーボックスへ駆け寄り、山田連係プレーでそれを前へ持ってくると、二重底になっていることを確認。最初の方ですばるが歌ってる間ヒナが後ろを向いてごそごそやってた小芝居の意味が繋がる。
ここでパンパンと拍手と共に内「さすが未来のノーベル科学賞」亮「茶化すな」あっはっは!(乾き笑い)このやりとりが楽しみで!正直観劇回数が二桁にも上ると眠気が襲ってくることもしばしばあるんですが、ネタを知ってしまうと聞き流しても構わないこの謎解きシーン、毎回このおもしろすぎる会話で目が覚めます。(でもまたすぐ寝る)
ヒナ「じゃあメールはどう説明するんや」皆と一緒にメールを受け取ったことを楯に取ると、内「それは俺が説明するよ」出たー、標準語イントネーション!大体この舞台において内は8割標準語。感情出すようなセリフの時のみ関西訛りなので、大学は関西だけど元々は関東出身とかいう裏設定でも?ともあれ金田一役は亮から内へとNEWS組間で移動。
真っ直ぐヒナを指差した内「サマージャケットです」ビシッと一糸乱れぬ立ち姿、気分は完全に名探偵。(しかしこいつの頭の中じゃサスペンス=コナンくん…)「この中でサマージャケットを着てるのは康平さんだけです」と指摘し、ポケットにもう一つ携帯を隠してそれで送信していたと推理。あらかじめ用意しておいた文章を6人に一斉送信すればいいと言われて、さっとヒナの後ろに回った安田「康平さん、調べさせて下さい」とジャケットに手をかける。「わかった、」と観念して認めたヒナはポケットから携帯を取り出すと、二台の携帯を放り投げる。
そこで突如口を開いたのは、ようやく3行以上のセリフが回ってきたか?大倉「康平さん、騙したんですね」どういうことや、と周りの詰問を受け出てきた言葉は「…DVD、」みじかっ!(笑)「お前か!」といきり立った亮の勢いに押され、大倉「俺もはめられたっていうか…」内「なんや煮え切らんな、はっきり言えや!」
幽霊がいると皆を驚かせるドッキリだと思っていた大倉「こんな深刻な話やとは思わなくて…すみませんでした」と素直に謝罪。TV画面に映ったメールの文字は大倉の操作したDVD映像だとヒナが説明すると、ここでようやくこれまでずっとカウチに座り込んでいたすばる(目を開けて寝ているのかと思った)が立ち上がり、「康平…なんでお前が?」と問いかける。
ヒナ「和也はホンマに自殺やったんか?」改めての問いに、一瞬各自に動揺が走るが、すぐに口々に「なにを今更」「あれは自殺やった」と声が上がる。
「俺はそうは思わへん。和也は自殺やない、殺されたんや」ヒナの断言に、大倉「じゃあ犯人はこの中にいるってことですか?」その一言で凍り付いた空気を振り切ったのは、安田「おかしいですよ、康平さん!」舞台前方のソファ前からダッと後ろへ回り込み、階段の踊り場に立つ康平を指差す。…そんな移動の必要あるか?安マルコンビは共に無駄な動きが多い気がして仕方ない。安田「ホンマは自分が犯人なんじゃないんですか!」ヒナ「違う!俺以外の誰かや!」そんな得手勝手な…。
そこまで殺人だと言い張るならその根拠を聞こうと亮が言うと、ヒナ「和也はナイフで腹を刺している」大倉「それが?」ヒナ「自殺するんやったら手首か首を切ればええ。腹刺すんやったら服脱げばええ。服の上からやと失敗することもあるからな」この意見には一同も頷くところがあったようで、しかし部屋には内側から鍵がかかっていて、細工をした形跡もないという事実を突きつけられると、ヒナの語調は弱まる。刺された後、横山が自分で鍵を閉めたという可能性を述べると、どうしてそんなことをする必要があったのかと聞き返す亮と内。
わからない、と答えたヒナに内「ほら、やっぱり」亮「康平さんにはがっかりしました」と矢継ぎ早に攻撃。安マルまでもが「和也さんは本当は康平さんのこと信用してなかったんじゃないですか?だから病気のことも黙ってたんじゃないですか」と責め始める。大揉めに揉めたところで、すばる「もう止めろや!」と制止。
「これ以上仲間割れは見たくない」と言うすばるに、ヒナ「こいつらもう仲間なんかやない」えー、そんな勝手に決めつけた上にその言いぐさはなんだ!「こっちかて願い下げや」と言い出した亮内安マル、「帰ろ帰ろ」と荷物を取りに?階段へ向かうのを、「待ってくれ!」と回り込んだすばるが阻止。そして「すまんかった!」と頭を下げる。すまんかったって…どこのおっさんのセリフやねん(呆)。すばる「和也を殺したのは…俺や」と衝撃の告白。ショックを受けたように一歩二歩と後ずさる面々、安田のみ五歩六歩と下がりすぎ。
すばる「全部話すわ…。俺と、和也と、…徹のこと、全部」一同「徹?」やっとここでしばらく忘れられてた徹の名前が。すばる「徹と俺は、実の兄弟や。両親が離婚して別々に引き取られたから名字は違うけど、正真正銘の血の繋がった兄弟や。…そのことを知っていたのは和也だけやった」ここで大げさにまで振り返って驚いてみせるヒナ。ライトも当たってないのに熱い演技ご苦労様です。
徹は母親に引き取られ、大嫌いだった父親に引き取られた自分は兄弟の縁を切った…とすばるが語る後ろで、幼い徹(真鳥、進也、神山のトリプルキャスト)と母親が登場。徹(幼少期)「兄さんは俺のことキライなんや。でも俺はお母さんと二人っきりなんて寂しいよ…」と母親の胸に飛び込むのはいいけれど、いかんせん順調に身長が伸びつつある進也では配役に無理が。文一とあんま身長変わらんし(笑)。
すばる「今思えばくだらん嫉妬や。なんにもできへん徹が母親に愛されてるのかと思うと悔しくてたまらんかった」複雑な家庭の事情を全て独白で済ませようとする脚本…。すばる「それでも徹は俺を慕ってついてきた。高校も大学も同じところに入ってきて、こともあろうに俺のやってるバンドにまで」それ、ただのス○ーカーですがな。「あいつにとっては俺が憧れのヒーローやったんや。俺なんて触れたら壊れてしまうガラスのヒーローやのに」ガラスのヒーロー!ガラスの十代!(22歳です)硝子の少年!(ちっちゃいオッサンです)さすがJ事務所!こんなセリフを平然と言う克典と言うキャラも痛いが、大人しく聞いてる他の連中も変だ!
徹の演奏を聴いてその才能に嫉妬したと言うすばる、「悔しかった。だからいっそう徹に辛く当たった」しかしバンドを続けていくうち、いつしか一緒に世界を目指したいと思うようになってきたと語る。すばる「口に出したことはないけれど、徹も俺と同じ気持ちだった…けれどその願いは鮮やかなほど突然に断ち切られた」なんでこう、一語一語が装飾過多だったり文語調だったりするんでしょうね。
そこで上からスクリーンが下りてきて、バイクの音が鳴り響く。舞台上の照明が落ちて、その間にすばる達は袖へと捌ける。映像は雲が渦巻くような抽象的なもので、SHOCKの翼のバイク事故みたいな感じ?数人の声に混じって、「河合徹、男見せたる!」と叫んだ後、エンジンを噴かす音に続いて激しい衝撃音。この徹のセリフは、最初はもっと聞き取りにくい曖昧な声色だったのが途中で全員分録ったようで、ちゃんとキャストに合わせて声が変わってました。

SCEANE6】
事故の後の病室。意識不明の徹の横、医師から容態の説明を受ける母親。駆けつけた克典(すばる)は、徹がバイク仲間とのチキンレースで事故にあったと聞き、どうしてそんな馬鹿なことをしたのだと罵る。すがりつく母親との対話で初めて本心を口にすることができた克典は、長年のわだかまりを解いた。しかし徹の譫言でなにかを悟った克典は、病室を出てゆく。

最初に申し上げておきますと、ここはリピーター客の約7割(私の脳内調べ。3割は熱狂的なすばるファンと推測)における爆睡タイムorトイレ休憩となります。なにしろ20分弱くらいずっとすばる(と母親役)しか出てこない!徹は客席に頭を向けて眠り込んだまんま!(おそらく徹役にとってもここは爆睡ポイント)確かに動きも単調で話の展開も地味、仮にもすばるファンの端くれである私でもしばしば眠気に襲われる場面ですが、観客遠慮なさすぎ(笑)。眠気堪えようとかいう意志が全く感じられず、あまつさえトイレも若干混んでるとのウワサ。渋谷さんの熱演は一体…。
医師役は最初に出てきた刑事と同じ方が演じてらっしゃいますが、私の見た回では一度も噛みませんでした。(だってほとんどセリフないし)医師「頭を強く打っているのでなんらかの障害が残るでしょう」その診断に泣き崩れる母親を慰めるように、「なにか心に強く響くものをきっかけに戻ることもあります」と言い足す。
医師が去った後、ベッドに横たわる徹の頭を撫でて子守歌を歌う母親。そこへ黒いカウチンセーターを着たすばるが登場。顔を上げた母親に「徹はどうなんですか」と抑えめの口調で尋ねる。なんらかの障害が残るかもしれないと母親が答えると、すばるもやりきれないように「なんでこんなことに…」と呟く。
母親「警察の人が言うには最近流行りのチキンレースでもやったんやないかって」チキンレースが最近流行ってる?いつの時代や!てっきり現代の話だと思ってたのに、70年代後半か80年代初頭だったのか?でも携帯メールとかDVDとか出てるし…。
すばる「度胸試しなんてアホなことやるからや」母親「チキンレースって度胸試しなん?」すばる「海に向かってバイクを走らせて、どこまで近いところで止まれるか競うんですよ」うんうん、ちゃんと説明しとかないと若いお嬢さんはチキンレースなんて言葉知らないでしょう。
何が徹にそんなことをさせたのかと嘆く母親に、すばる「原因は…俺です」自分のやることを出来もしないのに真似ると言うすばる、アンタさっきチキンレース馬鹿にしてたのに、自分がやってたんかい!
すばるの冷たい言葉に、「それでも徹はあなたのたった一人の弟なのよ」と言う母親。「おばさん、」と呼びかけたすばるは、徹を弟とは認めていないと言い捨てる。「おばさん…って呼ぶんやね」と衝撃を受けた母親に、「俺の母親であることを捨てたのはあなたの方でしょう」とたたみかけるすばる。ここで母親が逆ギレ(笑)。好きで手放したわけじゃない、それでも徹は克典を慕っていたと言って、母親「そんなに徹が邪魔やったの!」すばる「邪魔やなんて思ってない」ならばどうして兄弟ということを隠していたのかと責める母親に、いつの間にか押され気味のすばる「隠してたわけちゃう、ただ俺と徹は苗字も別々やからあえて言う必要のないかと思て…」と弱々しげに言い返すと、母親「あなたは偽善者よ!」こんなこと自分の子供に言う親がおるか〜?
ここまで言い争ったのに、「必死に虚勢を張って生きているあなたを思いっきり抱き締めたかった」と言い出した母親は、「でもあなたはいっつも遠かった…」と泣き崩れる。その間ずっと黙っているすばるは涙のスタンバイ。目の周りと鼻の頭を赤くして「…お母さん」と応える顔がツボ!(安いな、自分…)なんでこれであっさり和解できるのか納得はいかないものの、「お母さん…って、呼んでくれるの?」と問いかけられて黙って頷くすばるに萌え!俯いて肩を落とした姿がまたツボ!手の甲に袖がかかるのがいいの〜。(ホンマに安い…)
徹の才能に嫉妬していたと告白するすばるに、「それはあなたのおかげよ」と母親。なんでもおもちゃのピアノや太鼓で徹を鍛えていたらしい。(冷笑)しかし「遊びとは思えんくらい厳しかったわ」と言われて、すばる「…厳しかったかな」と泣いた後の顔で照れ気味な感じは好き…。
そこで徹「に……のゆめ、は…おれの……め」すばる「なんや?なんて言うてるんや?」と、ベッドに横たわる徹の手を取るのですが、いかんせん徹役が桐山の時なんかだと明らかにその手がデカイ。すばるの小さな手のひらでは包みきれない(笑)。断然文一びいきの私としては、徹役が誰かによってこの場面のテンションがかなり変わってくるのですが、文一の時は寝ている頭を双眼鏡で眺めてつむじを数えたり(二個あった)、シーツの下に置いた手をすばるが取り出して握る瞬間を捕らえようとしたり(好きな子が絡むって嬉しいっすね)、肩を揺さぶられた時にパジャマの柄を確認したり(白地に水色のストライプ)と、大変忙しい。
「兄さんの夢は俺の夢」と繰り返す徹にうんうんと頷きながら、すばる「一緒に夢叶えよな。スウィングウエストはNYに行くんやで」それを聞いて再び泣き崩れる母親「徹は当分ドラムは無理よ…」すばる「なんやって?」母親「海に投げ出された時に頭を強く打って(以下略)」すばる「そんな…!」って、最初に病室入ってきた時に聞いたやろ、お前!いろいろ喋ってる間に忘れたんか?
ショックを受けているすばるの横で徹は、今度は別の譫言を。慌てて聞き返したすばるに、母親が「俺は男や根性見せたぞ」と繰り返していると説明。それを聞いたすばるは、「まさか…。そうか…そうやったんか…」と呟いて、病室を出てゆく。

SCEANE7】
事件の夜の別荘、和也(横山)の部屋。突然訪れた克典(すばる)が、徹を煽ってチキンレースに参加させたのは和也だと指摘し、どうしてそんなことをしたのかと責める。和也は克典への憧れが転じて抱いた憎しみを徹にぶつけたと告白。自殺を図ろうとするが手の痺れからうまくいかず、止めようとした克典が取り上げたナイフに向かって刺されにいった。克典を部屋から追い出した和也は中から鍵をかけるとナイフに付いた指紋を拭いて、息絶える。

久々の登場横山、しかし久々すぎて己の設定を忘れたのか、チケットも取り落とすくらい手が痺れているはずなのに、片手で皿を押さえもう片手に果物ナイフを持ってスイカを切ってます。さらにスイカにかぶりつく前にタネを取ったりもしています。だんだんめんどくさくなってきたのか、楽に近づくにつれスイカの幅が大きくなってゆくのも気になるところ。しかしスイカの汁がついた指を舐めたりする顔がちょっとかわいいので、大目に見ます。ただし毎回ちゃんと食べてると言うか、芝居を忘れてほおばるため、セリフが途切れ途切れになりがちなのが難点。ついでに舞台見終わって家に帰るとスイカが食べたくなるという弊害も。(横山、JAの回し者?)
そんな数々のツッコミどころを振りまきながら横山が今まさにスイカにかぶりつこうとした時、ノックの音。「ちょっとええか」と入ってきたすばるに、「お前が俺のとこに来るなんて珍しいこともあるもんやな」と言いつつ、どこか嬉しげな横山。「犬猿の仲って言われててもたまには話したい時もあるんや」と言うすばるを座るように促した横山はさらに「食うか?うまいぞ。オーナーの差し入れや」とスイカをすすめるも、すばる「なんで真冬にスイカやねん」と断られる。横山「食べ納めになるかもしれへんからな」と言うには、余命半年とかゆー設定だったのか?何も知らないすばるが「食べ始めの間違いやろ」と言うのに、横山「…そうやな、食べ始めの間違いや」と答えるのはよく考えてみれば切ない話。(でも本人は口の中いっぱいスイカ)
新しいドラムが決まったことを告げたすばる(それが大倉?)が、「徹とは比べもんにならへんけどな」と言うと、横山も徹のドラムは特別だったと頷く。そこで一旦会話が途切れ、沈黙を振り払うように横山「話ってそれだけか?」すばる「いや、本題はこれからや」と立ち上がる。
ライブで大失敗した日の夜に徹はあんな事故を起こした、と話を切りだしたすばる「(徹のバイク仲間の間で)チキンレースなんてアホなことが流行っているのは知っていた。けど徹は気の小さいやつで、レースを見ているだけ参加することなんてなかった」兄弟の縁を切ったはずの徹の行動をよく知ってるあたりは、やっぱりお兄ちゃんだね!と、ご都合主義の脚本に無理矢理納得すべきか。すばる「なのにあの日に限って徹はレースに参加した。なんでや?」と突きつけられた横山は、さすがスイカを食べるのを止めて立ち上がると、「さぁ?そんなこと俺に聞かれても」と言いながら、「男見せたかったんちゃうか?根性をな」
その言葉に、すばる「それや」と横山をにらみ付け、「誰かが徹を煽ったんや。本番でドジを踏む気の小さい男に、男やったら根性見せろやって」言葉と共にどんどん口調が激しくなってゆくすばる。怒りの演技が得意なのか、それしかできないのかはともかく、すばる「今時珍しいオヤジくさいセリフが好きな、独りぼっちの男が徹の気の小さいのいいことにつけ込んだんや。徹も男やからな、あの日は余計にプライドを刺激されたんやろ」横山「違う、聞いてくれ。俺は…」すばる「お前が徹をあんな目に遭わせたんや!」ビシッと伸ばした手で横山を指さしたすばる、しかしこれもDREAMBOYの「アンタがすべてを狂わせた!」を彷彿させるんですが…
よろよろと項垂れた横山に追い打ちをかけるように、「一つ教えといたるわ。河合徹は俺の弟や」と告げるすばる。「知ってた。と言うより、感じてた」と答えた横山は、孤独ゆえ人一倍肉親の情には敏感だったために自然と気がついたと言う。「お前と徹は似ている」と言いながらベッドに座り込んだ横山は、そんな二人を見ているうちに次第に徹への憎しみが湧いてきたと独白する。
すばる「徹を…憎んでいた?」横山「本音はお前や、克典や」徹の後ろに克典の影を見た横山は、彼に対する憧れから来る憎しみを徹にぶつけるようになったと言う。それを聞いて、「なんで直接俺にぶつけてこなかった!」と怒るすばるに、「できるわけないやろ!」と叫んだ横山は手に持っていたクッションを壁にたたきつける。「憎んでいてもお前は俺の夢やった、俺はお前が世界の舞台で歌うのを見たかった!出来ればその隣に並びたかった!…でももうそれも無理や」そう言って俯いた横山は、自分の手を見つめる。
けれど仲間たちには感謝していると、横山「お前や康平の存在がどれほど俺を救ってくれたか…まぁ全部ではないけどな」…せっかく感動的な場面なんですが、しばしばここで横山さん、康平と徹を言い間違え。時に前半は回変わりでセリフが違うのか?と疑うほどの頻度で「お前や徹の存在が…」と言うもんだから、どっちが正しいのかわかりませんでした。
その態度に「お前、なにか隠してへんか?」と詰め寄るすばる、しかし病気のことを告白するつもりのない横山は「別に、なんでもない」と誤魔化してベッドから立ち上がると、部屋の左側(ドア側)へと移動。横山「…償いはせなあかんな。でもどうやったらええんやろ」すばる「人生を台無しにされた相手に、どうやって償うんや!」再び激昂するすばるに、横山は「すまん、ホンマにすまんかった」とただ謝るのみ。やりきれないすばるはさっきまで横山の座っていたベッドに腰を下ろし、俯いて頭を抱え込む。
そんなすばるを見ながら横山はテーブルに置いてあった果物ナイフを手に取ると、自分の首元へ当てる。が、その時思い出したように手が痺れ、ナイフを取り落とす。ハッと顔を上げたすばるが慌てて駆け寄り、ナイフを拾おうとする横山の手からナイフを奪うと、「こんなことしてほしいんちゃう!」とドアを背に訴える。「俺もきつく言い過ぎた」と上擦った声で横山の行動を止めようとするすばるの態度が、別れを切り出した女に狂言自殺を図られたようでな慌てぶりで、大変ツボ。
しかし横山はナイフを持ったすばるに向かってきて、間に挟んだテーブルを飛び越える!ぜんっぜん病人ちゃうやん!ALSって手足がしびれるんちゃうんか!足腰ピンピンしとるやないか!そして最初に「争った形跡はない」と言われてたけど、思いっきり揉み合ってますがな。こんだけ騒いだら二階の連中も気づくだろう。もう一つ気になることは、揉み合う際にすばるのパンツが見えることがあり、なぜか彼も赤のカルバンクラインを履いてる不思議。(SCEANE1参照)え、横山とお揃い…?
そしてすばるの手ごとナイフを掴んだ横山(もう手の痺れなど忘却の彼方)は、そのナイフに向かって自ら倒れ込む。これもDREAMBOYで同じ動きをやったのでお手の物。
ナイフが横山に刺さった瞬間に効果音、そして真っ赤なライトが二人を照らす。一番劇的なシーンですが、おかげで初日のこの場面がWSで流れまくって、これから観劇予定の視聴者に思いっきりネタバレしてました。刺されて大げさにのけぞる横山、しかし日を追うごとに演技過剰になってゆく悪癖が今回も出たようで、腹を押さえてふらつくのはいいけど、よろけすぎ。完全に部屋の壁を越えてます。左側にはキッチンのセットが残ったままで、ふらふらそっちの方まで歩いていくもんだから、カウンターに突進しそうな勢い。これがDOUTONBOYSなら「越―えーてーるー!」とツッコミが入るところ。
自分の手にしたナイフが横山を刺してしまったことに動揺するすばる、「和也、和也…」と震えながら名前を呼ぶ姿にかなり萌え。そのすばるを抱え込むようにドアへ押しやり、部屋の外へ追い出す横山。この辺の流れはかなり臨場感があって見応えがあるにもかかわらず、20日の昼公演ではなんとすばるの靴が脱げるアクシデント。靴を残して帰るわけにもいかず、揉み合いながら靴を拾う羽目に。当然客席からは失笑がわき起こる。
すばるを追い出した後、内側から鍵をかけた横山。ドンドンとドアを叩く音を聞きながら、「これでええんや…」と床に落ちたナイフを拾って指紋を拭く。ここでSCEANE1の場面へと続くわけです。

…それにしてもこのドアを叩く音で二階の連中は(以下略)

SCEANE8】
全てを語り終えた克典(すばる)に、押し黙る一同。誰も克典を責める者はおらず、結局は和也(横山)の自殺だったと言い出す。故意ではないとは言え和也を刺したのは自分だと主張する克典に、康平(ヒナ)が和也の気持ちをくみ取ってやれと諭す。

早替えが得意というすばる、その特性を活かして病院シーン〜和也の部屋〜ここまでずっと衣装を替えての連続出演。部屋を追い出されて横山が倒れてる間に着替えて、リビングの階段上に駆け戻り「…これが(事の成り行きの)全部や」とポツリ。
話を聞き終わったヒナの第一声「そうか、徹は克典の弟やったんか」いやいや、今の話題はもっと違う方向のはず!アンタが事件の全容、和也を殺した犯人を知りたがったんでしょうが。
こうなると誰一人すばるを責める者もおらず、殺人犯(自殺幇助になるかもだが)を前にして穏やかな空気。亮「二人の夢を叶えるためにNYに行ったんですね」すばる「あぁ、結果は知っての通りやけどな」本当はあの雪の夜に全てを話してしまうべきだったと言うすばる、「こんな俺にジャズは歌われへん」と自嘲する。
そして顔あげたすばるの口から出た「康平、あの刑事さんの名前覚えてるか」という言葉に、それまで半分起きてる寝てるかわからなかった内「でもあれは自殺やろ?」おーい、人の話聞いてへんのか!すばるが「偶然とは言え刺したのは自分だ」と言うと、今度はヒナが「いいや、あれは和也の自殺やった」と内に同調。だから、そもそも自殺じゃないと言い出したのはアンタでしょうが。
ヒナ「病気が和也を追いつめ、徹をあんな目に遭わせてしまった」と語りだし、「いずれ死ぬ自分、ならばせめてもの罪滅ぼしに今この身を投げ出そう…って考えたんちゃうかな」と、己に酔いしれた解説。さすがミステリー作家志望、この調子じゃ永遠に志望のまんまやな(冷)。そして亮「殺人犯なんて、いなかった」…きっぱり断言しましたね。893のくせに長いものには巻かれる錦戸さん、ステキ!
マル「康平さん、これで気が済みましたか」と声をかけられ、「あぁ、これで全部納得がいったわ」と言うヒナ、後輩達に向かって「疑って悪かった」と頭を下げる。あれだけ揉めさせて「仲間なんかやない」と暴言吐いておきながら、この一言であっさりなかったことにするつもりか。
しかしすばるは「いいや、まだ納得がいかんことがある」と言い出し、なぜ横山が中から鍵をかけ密室にしたのかと疑問を口にする。するとまたしてもヒナの一人舞台、明確なアリバイのない自分たちを庇うためだと、それが和也の友情だと切々と語る。ヒナ「密室という歪められた事実が誰かを救うことがある」とにかくヒナのセリフはしつこいまでの芝居調、日常会話では使いそうにもない単語がポンポン出てくるのが特徴。
マル「そうか、警察が和也さんを自殺って断定したのも密室が大きな要因やった」内「俺たちを庇ってくれたんや」とせっかくうまくまとまりそうだったものを、すばる「ちがう、俺たちというより当事者の俺を庇ってや」と水を差す辺り、あくまで自分中心に物事が回ってないと気が済まない性格はNYで挫折しても変わらなかった様子
すばる「けど、なんでや!この手が確かに和也を刺した感触も残っているのに。なのにあいつはナイフについた俺の指紋もふき取っていた」窓際でメンバーに背を向けたまま叫ぶすばるに、後ろから近づいたヒナがポンと肩を叩いて「いいかげん気がつけよ、それが和也の友情ってことに」
ヒナ「自分の託した夢を叶えてもらうためにも、才能あるお前を潰すわけにはいかないって考えたんや」そう思うならわざわざ自殺にすばるの手を借りるなよ…とツッコミは心の中に置いといて、脚本の流れ的にもここが盛り上がりどころの一つ。静まりかえった部屋の中、ヒナの声だけが室内に響く。「部屋に鍵をかけ密室を作り出した和也は、最後の力を振り絞って指紋をふき取った。…自殺を確定させるために。お前が永遠に口を噤んでくれることを願って」真相を暴いてその願いを台無しにしたのはアナタなんですがね。
と、ここまでせっかく感動的なセリフが続いたのに、すばる「和也の友情って、そんな深いもんやったんか」どうにか友情とか真実とか単語の羅列なしで話を進めることは出来ないんですかね。その上、亮「俺らってこんな心を開いて喋ったことあったかな」などと言い出したもんだから、薄っぺらな流れになりそうな悪寒が沸々と…。マル「そうやな、俺たちはなんとなーくジャズ研に入って、なんとなーく集まって、なんとなーく一緒にすごして」亮「誰でもよかってんな、一人にさえならんかったら」なんで殺人の話からこんな流れになる?
そして約40分ぶりのセリフ?大倉「でも干渉されるのもうっとおしいで」確かに、直線関係のない人の話でこんなに盛り上がられても困るだろう。しかし安田に「それじゃいつまでたってもなんとなくの関係にしかなられへん」と言われてあっさり引き下がる後輩的従順さは○。
一息ついた雰囲気の中、内「長い一日やったな、今日という日は」そんな倒置法な文語的セリフが飛び出すと、窓を開けながらすばる「夏の嵐、通り過ぎたみたいやな」と、ここでタイトルコール。舞台上の灯りが落ち、ぐったりした様子の一同が目を閉じる中(この時のクッション抱えておねむな内がヨダレ物にカワイイ)、すばるにのみピンスポ。「俺が語ったのが事件の真相、そして知ったのが友情の真実」と告げた後、一人舞台前方へ歩き出す。その間に他面は袖へ捌ける。
客席に向かって、すばる「過ぎてゆく日々の中、意味のある日はそう多くは訪れない」と唐突に語り出す。だから今日という日を大事に生きていきたい…みたいな、脈絡もなければ論旨も不明なお言葉ですが、これが1時間20分の芝居のまとめ…?(注:まだもう1シーンあります)
舞台左袖から出てきた母親に車椅子を付かれた徹と、その後ろに続く室兄or菊岡「徹のお兄さんが克典先輩やったって驚きました」どういう経緯でか、全て明らかになった様子?花道へ移動しながら、母親が徹に話しかける。「和也さんのお墓に行くのよ。あなたもう和也さんのこと、恨んでなんかないわよね?」友達の前ですごい質問ですが、徹「俺は男や、根性、見せたぞ」と片言でお返事。この時の徹の衣装はピンクのシャツにベージュのパンツ、おそらく桐山仕様にシャツはかなりのオーバーサイズで文一や中間の時には体が泳いでます。ちなみに他の場面では友達の衣装はWキャストだろうと各自バラバラなのに、この時の室兄&菊岡だけ共通のオレンジっぽい赤色の半袖シャツ。さすがに足の長さを考慮してボトムは別々ですが。
花道向こうから「おばさーん」とその他の友達連中、「和也さんのお墓もっと向こうやって」と誘導。室兄or菊岡が「代わります」と、母親に代わって徹の車椅子を押して移動。この時室兄のスピードが異常に速くて、徹(特に文一バージョンの時)が振り落とされやしないかと心配になりましたが、桐山バージョンの日はものっすごいゆっくりでした。見た目にも明らかな重量差をわざわざ見せつけなくても…。

SCEANE9】
和也(横山)の眠る墓地。皆と共に墓に向かった克典(すばる)は、自首する決意を告げる。最初は止めていたメンバーも彼の気持ちを受け入れ、「必ず戻ってこいよ」と送り出す。そして友人達に連れられてきた徹は克典の歌を聴いて意識を取り戻し、康平から事情を聞いた母親と共に克典を見送った。

J事務所において墓は十字架、社長の引き出しの中に墓石なんてものはありません。ANOTHERからお馴染みのお墓の登場で、すでに薄れかけていたシリアスムードが一掃、客は俯いて笑いを堪えるように。しかし周りには他の墓もなく、共同墓地でもなさそうなところから、遠縁の親戚が渋々引き取った割には金のかかった墓ですな。が、ハリボテの丘の後ろには空を表す?水色のカーテン、足下には申し訳程度の花壇。せっかく豪華な別荘セットを作ってもらったのに、ここでいきなり安っぽさ炸裂。何より笑えるのはその丘の上で片膝を立て遠くを見つめている内の存在ですが。
白いジャケットに白のパンツ、全身白で決めたすばるが横山の墓に花を捧げる。すばる「守られるばかりじゃなく、俺も誰かを守ることができる強い人間になりたい。和也のように」その姿を見守るヒナもやっぱり白(あるいは生成?)ジャケット着用。ついでに丘の上で佇む内も白ジャケット。今回ずっとジャケット着用を義務づけられているのか、亮はダークグレー?のストライプジャケット。安マル倉の三人はラフな格好で、舞台右端でせっせと花を摘んでは亮内に捧げる働き者。亮には両手で差し出す安田と、一本一本選ぶように内に花を渡す大倉(この人だいぶ内に夢見てる)がカワイイ。
すばる「けど俺はお前の作った真実に背を向ける。わかってくれるな」の言葉にハッと顔を上げる一同。しかし別荘で告白を受けた時にはあんなに止めていたにもかかわらず、一晩寝たら頭が覚めたのか「責任をとる勇気も必要やな」と急に意見を翻す人たち。振り返って客席を向いたすばる、イントロが流れ始めてタイトル不明の曲スタート。大抵劇中のすばるの歌は生歌ですが、残念ながら今回は録音。歌う(振りをする)すばるの肩にポンと手を置いたヒナ「行って来い!」といきなり自首を促す変わり身の早さ。
すると舞台左隅に室兄or菊岡が現れ、目があったヒナにぺこりと頭を下げる。完全に自分の世界に浸りきって歌っているすばるをよそに、濱田or大智に車椅子を押された徹を迎えに行くヒナ。付き添う母親に一礼し、車椅子を受け取ると、その向こうにはなぜか一列に並んだ友人達。登場からすでに涙目の伊藤や室弟とは裏腹に(早い早い!)まだ中一の薫太はじっとしてられないのか、隣の菊岡を横目で見たり、ズボンのポケットに入れた手を動かしたりと、落ち着きなし。
ヒナ「会うべき人に会わずに行くつもりか?」と、すばるの元へ徹を連れてゆく。母親「康平さんから全て聞きました。未来のあるあなたです、体だけは大切に」すばる「いつまでも僕のお母さんでいてください」とかみ合ってるようなかみ合ってないような会話の後、徹に向かって話しかける。すばる「絶対元に戻れるからな」徹「兄さんの夢は、俺の夢…」それを聞いて、「うん、…うん」と頷くすばる。そんな二人を見守る一同。なぜか隣で見つめる錦戸さんの顔が怖い。(地顔です)
再びすばるが歌の続きを歌い出すと、今度はサブボーカル亮内も加わり、さらに安マル倉の名コーラス隊も参加。それを聴いていた徹が、リズムをとるように指を動かし始める。(さぁ、もう展開が読めましたね)その様子に顔を見合わせる母親とヒナ、そして直立不動だった友人達も互いの肩を叩いたりして「おい、見ろよ」的なリアクション。とうとうドラムを叩く振りまで始めた徹、しかし慣れてないため違和感満載。
「兄さんの歌が聞こえる。兄さんの心が聞こえる」と、立ち上がって歩き出したクララ状態の徹、すばるに向かって「やっぱり兄さんの歌はすごい」と話しかける。「俺が…わかるんか?」と戸惑うすばるに、徹「わかるよ!俺の兄さんや!」がしっと肩を寄せ合う二人。この辺は徹役それぞれ個性が出てまして、一番演技が上手い桐山はぐっと堪え泣き(あの顔は演技派という法則?)、中間は素直にポロポロ涙を流すアイドルらしさ(泣いても顔が崩れないのが素晴らしい)、そして一人泣きもせずにきょとんとしてる文一(でもカワイイ…>盲目)。いつの間にか隣に立つ内に肩を抱かれて徹も一緒に痛い出す。
すると摩訶不思議、和也の墓の後ろから怪しい人影が。これぞジャニ舞台、これぞ社長の真骨頂、現れたのはやっぱり予想に違わず白シャツ黒ズボンの横山(享年23歳・幽霊)…っ!シリアスだろうとサスペンスだろうと、墓の影から幽霊、の法則には勝てなかったか。つうか社長は大まじめにこの場面には和也の霊が必要だと考えたんでしょうね…。
皆を見渡して「じゃあ行くわ」と言うすばるに、ヒナ「絶対戻ってこいよ」マル「待ってますから」と声をかける面々。個人的には安田の「もう一人で孤独の中に入ったらダメですよ」と言う口調にきゅんとくる(笑)。涙目の大倉に、人形のような内(メイク濃すぎて表情よくわからん)、しかしここで注目すべきは毎回号泣の亮!なんでそんな泣いてるんすか…?
もちろん花道を歩き始めるすばるはもっとダダ泣き、鼻は赤いわ目は血走ってるわ、とても人様に見せられるもんじゃねぇ。徹の「兄さん!」の呼びかけに(文一バージョンの徹はここにきてようやく事態を理解したっぽい…)、振り返って手を振るすばる。再び前を向いて歩き出したすばるに、「克典!」と呼びかけたのは幽霊の横山。どうやら彼の声はすばるとヒナには聞こえるようです。
振り返らずに「ん?」と応えたすばるに、横山「なんでもない」…このセリフが、千秋楽の回には「またいつか、この場所で!」と横山のアドリブ。思い入れの強いファンが集まっているだけに、一気に泣き出す客席。(含む自分)すばる「あぁ、またいつか!」と手を振って歩き始め、舞台上から見送るメンバー。そして幕が下ります。

な、長かった……。



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