滝沢演舞城


2006/3〜2006/4 新橋演舞場


2幕

鞍馬山

殆ど眠くなる所のない今回の舞台の数少ない睡魔に襲われるシーン。もしくはトイレが混んでいる時、この時間を利用すればそんな心配もご無用!!です(笑)>実際1度だけ実行……休憩時間よゆーなかったんです、すみません。2幕は義経ダイジェストなのですが、スクリーンにはいきなり「あなたの知らない義経がここにいる!!」と、どこのドキュメント番組なのかって始まり方。始まりは鞍馬山で自分の進むべき道、平家追討の戦に身を投じるかどうか悩んでいると、父親・源義朝の亡霊が現れ、世の平和の為、常磐の無念を晴らす為、平家を倒せと告げます。役者さん達が亡霊役やってるだけでジャニファン的には特にツボもないシーン(爆)悩む義経が竹を刀で切ったり、する為だけに竹藪まで用意されてるのがさすがの滝ちゃん舞台。

回想
義経の回想があって、常磐が平家の兵士に囲まれ、幼い子供達と引き離されるシーン。子供は寺に預け大きくなったら出家させる事、常磐が清盛の側女になる事を条件に全員の命を助けると告げられ、崩れ落ちる常磐。この時の平家の兵士はABCの4人なのですが、やはり演技の出来るとっつーとか河合くんに集中して台詞がかたまっているナイスな配分。真剣な表情のABCは格好良くてその部分だけで十分楽しめます。

弁慶登場(4月公演ではカット)
大倉弁慶が登場し、弁慶がキスマイの3人に稽古をつけ、次々とやっつけるシーン。「この程度の腕で殿の部下が務まるか」と偉そうな事言ってますが、アナタ殿に瞬殺だったじゃないですか……。恐れ入りました、と降参するキスマイに偉そうにふんぞり返る弁慶はちょっとカワイイです。そして義経が現れると、飼い主にじゃれるちょっとアホな大型犬のように駆け寄っていく姿は相当可愛い!!大倉のふんぞり返って威張り散らす拙い台詞が恥ずかしいものの、なんともカワイイ弁慶が見られるのでお気に入りだったこのシーン、4月に観劇するとカットされてて、そらストーリーには全く支障ないから分かるけど残念でした。

頼朝登場
大倉弁慶の太りっぷりは衣装が衣装なだけに目立たず、頭巾も被ってるから分かりませんが、お待ちかねの横山頼朝、酷薄そうに見えなくもない整った顔立ちは、烏帽子の紐が顎にくい込んでなければなかなか良かったのではないかと思います。ほら、顔立ち派手だから成金っぽいとか、無駄に煌びやかな衣装の似合う人だから……でもなんじゃー!!その目眩がしそうなくらい紐のくい込んだ二重顎!!もとから横山氏は太ると顔につくタイプだとしってましたが、こんな如実に分かるだなんて何キロ太ってん!!公演が始まって確実に痩せたであろうすっきりした顎のタッキー義経と並ぶ機会が多いから、余計目立ちます。兎にも角にも伊豆に流され二十年、このまま死を待つだけではなんの為の命ぞ!と決起した頼朝の所に、奥州平泉からやってきた頼朝一行合流し、共に兄弟力を合わせて源氏再興を目指し戦おうという事に。義経はその上で母常磐を救いたいと告げますが、頼朝はそっちは気が進まない様子。でもまぁ一応その場は合わせて、そのまま捌けます。

一ノ谷の合戦
義経が先陣となってのこのシーン、義経&弁慶大倉&三郎藪とキスマイ3人の6人が義経軍。敵勢は平家の大将知盛が役者さんで、部下がABC。ひよどり越えの合戦シーンで、さほどセットもなくステージの上で剣を交わし合うシーンですが、なんせ衣装(この場合鎧)がめちゃ豪華!!これ、本当にこの舞台の為だけに作ったのならごっつ金掛かってるんですけど!!殺陣は皆剣の中、勿論大倉弁慶は薙刀にての殺陣になりますが、多少スピードがトロい事に目を瞑れば頑張ってたと思います。ボロが出る前に早々に捌けてますしね。勿論メインは義経の殺陣ですが、自軍劣勢と見て取った平家が船で一旦退却し、戦は中休みに。

こずえとの出会い
こずえはこの舞台だけのオリキャラらしく、そんな訳で静御前は出てきません。ちょっとガッカリ。水軍を伏せておかなかった為に平家に今一歩の所で逃げられましたな!と大倉弁慶が現れると、陣幕が用意され、義経の兜は弁慶が預かり、義経は椅子に腰を据えます。そこにキスマイ3人が近くに怪しい女がいたと荒縄で縛ったこずえを連れてきます。この紐を持ってるのが北山くんなんですけど、なんかこう彼の持つ独特の雰囲気のせいか、犬に縄をつけてるような感じで、縛った縄がだらんと床に這ってるのがなんとも私のツボでした。義経に離してやれ、と言われて「それでは示しがつきませぬ!」と熱演してる横尾くんの隣でぼけーっとして見えるこのシーンの北山くん、ごっつい好きです。女子供に優しい義経は、女の縄をほどいてやれ、と言いますが、戦時下のこの状況で、平家方の女が斥候として陣営を窺っていたのかもしれないからと「身元だけでも改めた方が良いと」告げる弁慶の進言も聞き入れず、そのまま帰してしまう義経。どうにもここでこずえと義経互いに一目惚れしたような設定みたいです。そしてこずえを送り届けるため、こずえとキスマイが下手に捌けると、
ここからが殿と弁慶のアドリブシーン!!
3月観劇の時は、アドリブがあると聞いていたものの私が入った公演では弁慶がにやにや笑いながら「殿はお人が良すぎます、まぁそれが殿の殿たる所以ですがな」と言った後、「五条大橋からの同士ではございませぬか」みたいに締めた所に花道から三郎藪が登場。「平家が壇ノ浦に陣を構えた模様です!」と報告し、義経も弁慶も合戦へと向かうことに。「この弁慶におまかせあれ!」と弁慶がステージ中央で張り切ってる間に義経滝は捌けてしまう放置プレイ。哀れをさそう声に「殿!?とのぉ〜!」と走って袖へと捌ける大倉弁慶がカワイイ。これが多分基本パターンです。
4月公演では、楽しみにしておりましたアドリブありで、昼公演は「この弁慶におまかせあ……!!(無言)」と台詞に詰まった弁慶に「大丈夫か!?」と絡む義経。そして「先程ちょっと小耳に挟んだんだが……腹は大丈夫なのか?」と、どうやら大倉の腹の調子が悪い様子>99%食べ過ぎとみた。ここで場内爆笑。「大丈夫です、さっき正露丸を飲みました」と応える弁慶に「この時代に正露丸はあるのか(笑)!?」と突っ込む滝義経。慌てながら「……は、い、ありました(笑)」と帰す大倉はその後も台詞に詰まり、義経に「本当に戦えるのか!?」と笑いながら突っ込まれてました。
そして夜公演、噂のこずえバージョン見ました!こずえがキスマイに連れられて捌けた後、それ義経が見送っていると、床に殿の兜と自分の薙刀を置いて、数歩後ろに下がり、後ろ向きで腕をを後ろで括られてる真似。で徐に「おやめ下さい、きゃぁ!」と前に倒れ込み、滝の反応を上目遣いで確認するも、義経は笑いながら放置プレイ。すると弁慶は引き続き「あ!右腕が!痛い!」と腕を押さえ、また滝の反応を……以下同文。反応も一緒(笑)すると懐から布を取り出し、「あ、こんな所に布が!」とまたタッキーを見て、「……(自分で)用意したのか(笑)」と返されるだけで、相手して貰えず、「何故あの女だけ!!」と拗ねてる弁慶が殺人的にカワイイです!!なにこれ反則!!めっちゃカワイイ!もう観劇中にジタバタ身悶えするくらい(周りに迷惑)可愛かったです。

壇ノ浦の合戦
壇ノ浦の合戦では屋形船が三艘登場。その上で義経を初めとする弁慶とか藪三郎とかキスマイが戦う訳ですが、4月公演ではここが一艘だけのシーンに代わっててどうにも寂しい。平家方ではABCも戦ってたのに、全て割愛で義経と平知盛との一騎打ちシーンになって瞬殺に。ええ!!数少ない弁慶大倉の活躍シーンが!二人だけのシーンってさみしーよー!!初見で一艘なら、舞台だしハリボテでない屋形船一艘でも仕方ないよねと思ったんですけど、ボヤ騒ぎで他の屋形船はやられてしまったんでしょうか……勿体ない>貧乏性。

母との再会
義経が知盛を倒し、戦の勝敗は決したのですが、義経の言葉は聞こえずまだ弓矢の飛び交う戦場で、義経は平家方の女が倒れているのを見つけ、助けようとします。しかし相手が源氏の武者と知った女はそれを拒み、戦で視力を失い瀕死状態の自分にとどめを刺してくれと請います。会話の中でそれが義経の母である常磐御前と気づいた義経が成長した自分の姿を一目見て欲しいと願うのですが、すでに失明している常磐御前にはその姿は確認できません。この時の義経の「私の姿が分かりませぬか!」とか、親子再会のシーンは熱演で、こんな舞台だと言うのに泣けてきます……二人とも役者さんだわ。その最中、こずえが常磐の娘と判明し、常磐は二人仲良くやってくようにと言い残し、絶命します。こずえは母親との色々確執的な所があったんですが、無駄だな(鬼。でもジャニ的には……)ーと思っていたそのシーンは4月公演ではバッサリカット。でも弁慶登場だってカットされたんだからしゃーないよ!!残された義経とこずえは互いに恋心を抱いているのを知りながら、別離を選ぼうとしますが、こずえは結局戦の流れ矢に辺り、絶命。義経一気に大事な人間失い過ぎなちょい強引な設定。

頼朝の裏切り
義経が戦の果てに空しさを覚え、ている頃、暢気な殿ラブの大倉弁慶は鎌倉殿(頼朝)に戦勝報告を。しかし義経の活躍ぶりを頼朝が快く思っていないのに全く気づかず、いつもながらの殿絶賛!ただのファンやん的な義経自慢をするものだから、どんどん頼朝の顔が曇って歪んでいくのなんのって。義経陥れられたんお前のせいやんけー!!と見てる客の誰もが思った筈(笑)頼朝は気分を害したまま上手へ退場。ご満悦の弁慶に、ちょっと冷静な三郎が「人々の屍に築かれた都で平和国ですか」的な嫌みを口にするも、全く気づいてない様子……こんな部下のせいで!!そんな浮かれまくりの弁慶と他の家来達の前に、陣中に戻る義経。後白河法皇からの使者が訪れ、義経に平家討伐の恩賞を与えるといい、検非違使左右衛門上?を拝領しようとすると、花道から頼朝とその家来が登場。「我が家人でありながら、勝手に論功行賞を受けるとは言語道断」と義経が受け取った書状を破りあくまで平家討伐の功は頼朝一人のものであると、法皇様にお伝え下さいと使者を追い返します。あげく、義経を謀反人扱いし、「この場を立ち去れ!!」と言い放ちます。勿論義経はいずれ兄上の誤解も解けるだろうと、その場を退こうとしますが、「義経、お前は大きくなりすぎたのじゃ!最早そうはいかん!この場で成敗いたす!」って頼朝言ってる事が急展開すぎます(笑)>ダイジェストだから(爆)そして陣幕が切り裂かれると、そこには頼朝の軍勢が>ちゃんかり混じってるABCがツボ。

義経の最後
頼朝の軍勢に追い詰められた義経の家来が次々その刃にかかり、命を落としていきます。その様子を見た義経が「皆の者!永の忠義!嬉しく思うぞ!」のシーンは思わずこっちも涙。義経が館に籠もると、その義経を守るべく、頼朝の軍勢の前に立ちはだかるのは弁慶一人に。その弁慶も背中に、胸に、矢を打ち込まれ、よろよろと花道まで歩いて立ち往生。「殿おさらばにございます!」と義経の「弁慶!!さらばじゃ!!」の台詞にまた泣けますが、頼朝にとどめを刺されるという設定がどうにも気にくわない>最後の最後までどんだけ弱い弁慶やねん。義経は館に火を放たれ、崩れゆく館と共に命を落とす、というストーリーなのですが、この屋敷に頼朝が火を放つシーンは、3月公演の時は頼朝横山氏は本物の火を持ってましたが、4月公演では赤のライトの先にもこもこの綿?みたいなのを巻いたヤツを松明に見立てて火をつけるフリ、の演出に代わってました。色々大変やなぁ。しかし館崩しは本当に毎公演毎公演コレをやってるのかと思うと、どんだけ金かかってるんでしょうか……。

一番最後は義経の霊は紗那王の時に戻り、鞍馬寺で眠って、今の時代をその澄んだ瞳で見つめてます、みたいなナレーションが入り、紗那王時代の衣装で、花道からタッキー登場、ステージの上には無数の桜の花びらが舞ってる……みたいな演出で終了>ちなみにこの桜の花吹雪、本当に桜の形にしている懲りようでした。

      




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